高調波対策【高調波抑制対策の方法】

電気設備

高調波抑制対策の方法

①可変速運転用インバータ装置の対策
②機器への分流による高調波電流の低減効果
③直列リアクトル付進相コンデンサの流入による高調波電流の低減効果
④抑制対策(多パルス化、フィルタ設置等)

ここに文章

①可変速運転用インバータ装置の対策

原則として直列リアクトルを設ける又は同等の高調波抑制機能を持つものとする。

対策方法内容高調波発生電流発生率
交流、直流リアクトル併用インバータの電源側に交流リアクトル、直流側に直流リアクトルを設置することにより、高調波電流の抑制が可能回路分類3-4(6パルス変換装置リアクトルあり(交・直流側))
換算係数Ki=1.4
PWMコンバータ整流回路(コンバータ部)をスイッチングして入力電流波形を正弦波にすることにより、高調波電流の大幅な抑制が可能回路分類5(自励三相ブリッジ(電圧型PWM制御)(電流型PWM制御)マトリックスコンバータ)
換算係数Ki=0.0
表 高調波抑制対策の例

②機器への分流による高調波電流の低減効果

-省略-

③直列リアクトル付進相コンデンサの流入による高調波電流の低減効果

・高調波抑制は低圧コンデンサの方が効果が大きい
 (高調波抑制率)高圧⇒3~10%、低圧⇒20~40%

・リアクトルは第5高調波に対して誘導性とするため、6%が一般的となっている。

○電験3種 令和2年度 法規 問13を参考に低減効果の確認をしてみる。
[問題]小問(a)は省略
 図に示すように、高調波発生機器と高圧進相コンデンサ設備を設置した高圧需要家が配電線インピーダンス$Zs$を介して$6.6kV$配電系統から受電しているものとする。
 また、コンデンサ設備は直列リアクトル$SR$及びコンデンサ$SC$で構成されているとし、高調波発生機器からは第5次高調波電流$I5$が発生するものとする。
 「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」では需要家から系統に流出する高調波電流の上限値が示されており、$6.6kV$系統への第5高調波の流出電流上限値は契約電力$1kW$当たり$3.5mA$となっている。
 今、需要家の契約電力が$250kW$とし、上記ガイドラインに従うものとする。

 このとき、高調波発生機器からの発生する第5次高調波電流$I_5$の上限値($6.6kV$配電系統換算値)の値[A]はいくらか。
 ただし、高調波発生機器からの高調波は第5次高調波電流のみとし、その他の高調波及び記載以外のインピーダンスは無視するものとする。
 なお、上記ガイドラインの実際の適用に当たっては、需要形態による摘要緩和措置、高調波発生機器の種類、稼働率などを考慮する必要があるが、ここではこれらは考慮せず流出電流上限値のみを適用するものとする。

[解説]小問(a)は省略
 ・需要家の契約電力に対する第5次高調波の流出上限値
  題意より$6.6kV$系統への第5次高調波の流出電流上限値は「契約電力$1kW$当たり$3.5mA$」であるから、需要家の契約電力が$250kW$のときの第5次高調波の流出電流上限値$\vec{I}_{S5a}$[mA]は
$$\vec{I}_{S5a}=3.5×250=875mA$$

 ・第5次高調波に対する等価回路
  題意の高調波発生機器について、系統に高調波電流$\vec{I}_5$[mA]を供給する電流源とみなすと、第5次高調波に対する等価回路は次のようになる。

 ・$6.6kV$配電系統に流出する第5次高調波電流の式を求める
  等価回路より$6.6kV$配電系統に流出する第5次高調波電流$\vec{I}_{S5}$[mA]は
$$\vec{I}_{S5}=\frac{\vec{Z}_{SR5}+\vec{Z}_{SC5}}{\vec{Z}_{S5}+\vec{Z}_{SR5}+\vec{Z}_{SC5}}\vec{I}_5$$
$$=\frac{j165-j109}{j22+j165-j109}\vec{I}_5$$
$$≒0.7179\vec{I}_5[mA]$$

 ・高調波発生機器から発生する第5次高調波電流の電流値を求める
  系統に流出する高調波電流$\vec{I}_{S5}$が上限値
  $\vec{I}_{S5a}=875mA$であるとき、高調波発生機器から発生する第5次高調波電流$\vec{I}_5$の上限値$\vec{I}_{5a}[mA]$は
$$0.7179\vec{I}_{5a}=875$$
$$∴\vec{I}_{5a}=\frac{875}{0.7179}$$
$$≒1219mA$$

④抑制対策(多パルス化、フィルタ設置等)

対策方法主な特徴効果次数と高調波低減率
変圧器の多相化変圧器を2台以上使用し、Y-△、△-△の組合せのように位相角が30°異なるように接続すると12パルス相当の効果があり、高調波電流を低減することができる。主に5次,7次
50~90%
受動フィルター(パッシブフィルター)特定の周波数(次数)に対してインピーダンスが小さくなるようにコンデンサとリアクトルを組合せたもので、高調波電流の吸収効果は大きい。5次,7次,11次
70~90%
能動フィルター(アクティブフィルター)高調波電流を発生している回路の電流を検出し、基本波電流との差分を発生させ、検出点での高調波電流を抑制する。25次以下
80~90%
表 高調波対策

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